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私の祖母について [独り言]

大変ご無沙汰しております。
また、いただいたコメントへのお返事もできず
失礼し続けております。

私は、あまり「忙しい」と人様に言うタイプではないのですが
この十月末から昨日にかけて、「忙しい」日々を過ごしておりました。
まぁ、ブログをサボるのは、いつものことですが。

先週、祖母を亡くしました。
90才をこえていましたので、大往生です。
が、私の結婚まで同居していた家族ですので、今、空虚な感覚を味わっています。
この数週間は、危篤状態が続いていましたので、
携帯が鳴ると、ドキッとしていましたが、今は静かな日々に戻りました。

70代の終わりごろ、バスで転んで骨折したあたりから具合が悪くなり
80才あたりから、いわゆる痴呆になりまして、徘徊・意識混濁などを経て、
数年前から特別養護老人ホームにお世話になっておりました。
70をこえる私の父母が、自宅で介護しきれなくなったという事情があります。
でも、父母は、毎日出かけていって、昼食を食べさせておりました。
数年前には、脳梗塞になりまして、
言葉や体の動きを失いました。
もっとも、10年近く前から、孫である私のことも分からなくなっていましたが。
内臓は元気で、病気もなく、
いわゆる「老衰による諸器官の機能低下」で亡くなりました。

私は祖母の初孫ですので、大事にされました。
あまり叱られた記憶がありません。
大正生まれで、関東大震災の経験者で、地震をことのほか怖がりました。
テレビが好きで、よく時代劇を観ていました。(杉良太郎の新吾捕物帖が好きでした)
落語が好きで、私とよく語り合ったものです。(誰が誰の弟子、とか詳しい)
老人会の顔役で、タオルでウサギの人形を作り、バザーに出していました。
その人形のいくつかは、私の家にもあります。形見になりました。

亡くなった日、遺体を斎場まで運ぶため、ホームを出るとき、
所長以下職員の方がたくさん見送ってくださいました。
泣いてくださる方もいらっしゃいました。
お通夜には、職員の方もたくさん来てくださいました。
月並みな言い方ですが
人の温かさにふれたような気がしました。

印象的なエピソードがあります。
亡くなった日、ホームの会議室に遺体を安置していたところ、
その日非番のはずの若い職員の方が、わざわざお線香をあげに来てくださったのです。
その方は、泣いていました。
そして、祖母に勇気づけられたことがある、と話していました。
その方がホームに入ってすぐ、
夜勤の時、何かで落ち込んでいて、
まだ多少おしゃべりできた祖母に「がんばれ」などと言われたそうです。
それに救われた・・・とおっしゃっていました。
世話をしていただいていた職員の方を勇気づけた・・・。
もう、そのころは、私のことも分からなくなっていたのに、です。
そういう状態でも、ちゃんと誰かの力になっていたのですね。

私は、この話を
目に見えない形見として、
ずっと忘れないようにしたい、と思います。

乱文にて失礼いたしました。
次回からは、いつもの華麗な(?)文章に戻したいと思います。



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ケンケン

今年は、伯父や伯母が亡くなり、そのことを思い出したました。
子ども頃、伯父も伯母も○○ちゃんとよく声をかけてくれました。
もう少し、生前中に何かをできたのならと茅ヶ崎住人Rさんの文章を読んで
また思ったしだいです。
by ケンケン (2006-11-12 22:15) 

kimiko

お祖母さまのご冥福をお祈り申し上げます。
哀しいけれどいつかはお別れの日が訪れますね。
若い職員さんを励まされたお話 ジーンと心に沁みました。
形見のタオルのうさちゃん とっても優しく見えますね。
by kimiko (2006-11-12 22:18) 

emi

可愛いうさぎちゃん!と思ったら、おばあさまの形見なのですね。
私の101歳まで生きてくれた祖母のことを想い出しました。私は一番下の
孫で会う事もなかなか出来ませんでしたが、大事にしてもらっていました。
その祖母も最後は特別養護老人ホームに入っていましたが、職員の方に
代筆してもらって、私に葉書を送ってくれたことがありました。それが、私に
とっての形見です。想い出が多いほど淋しさも大きいと思いますが、
おばあさまは、Rさんの心に生き続けてくれると思います。
by emi (2006-11-13 00:16) 

ハカセ

誰かに「ガンバレ」っていう一言でいいから、人の力になるって必要なこと。
ステキなおばあ様ですね。大事な形見としてずっと心にとどめておいてくださいね!!心よりご冥福をお祈りします。
by ハカセ (2006-11-13 12:05) 

nyan

私も今年、祖母を亡くしました。その祖母の事を思い出しながら、読んじゃいました。

さぁ!いつもの華麗な文章、またみにこなきゃだわ☆
by nyan (2006-11-15 23:26) 

ナオ

私の祖母も、亡くなる数年前に痴呆になりました。茅ヶ崎住人R さんと同じく、同居していた祖母でたいそう可愛がられたため、私のことを「忘れてしまった」ときのショックは今でも覚えています。
日々に追われて祖母のことを思い出さない日も増えて…、けど今日、茅ヶ崎住人R さんの記事を読んで、ずしんときました。祖母を愛していた記憶、愛されていた記憶が蘇ってきてウルッと…きました。
人はみな死にますが、生きてるときに誰かを勇気付けたりできたら素晴らしい。そういう人生が理想ですね。
by ナオ (2006-11-16 19:26) 

ステキなお祖母様でしたね。
自分がいかなる状態の時でも誰かの力になることを自然とできる、
そういうところをRさんは受け継いだのですね(^^)
ウサギちゃんもかわいい形見ですが、「お祖母様の精神」を受け継いでいる
ことが何にも替えがたいRさんの宝物ではないでしょうか?
ご冥福をお祈り申し上げます。
by (2006-11-18 08:50) 

ecco

お祖母様。
いっぱい愛を持っていらした方なのですね。
私もひがんでばかりいないで
いっぱい人に愛をあげられるようにならないと!
ステキなお話ありがとうございます。
by ecco (2006-11-18 15:35) 

私もおばあちゃんが大好きでした。
思い出すとあたたかいような、せつないような、胸のあたりがきゅーんとなります。
by (2006-11-18 18:20) 

チヨロギ

「目に見えない形見」・・・いいものをいただきましたね。
ホームの職員の方々にも愛され、おばあさまは幸せな人生を送られたことと思います。
どうぞ安らかにお眠りくださいますように。
by チヨロギ (2006-11-19 01:26) 

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