ペヤングやガッテンが本業ではない [落語]
思い切って
ミスターペヤングまたはマスターガッテンこと
立川志の輔師匠のDVDボックスを買いました。
老後の楽しみが、またひとつ増えました。
お勧めは「ガラガラ」。
多少不機嫌な気持ちになっている方でも、笑えると思います。
志の輔らくご in PARCO 2006-2012[DVD BOX] (<DVD>)
- 作者: 立川志の輔
- 出版社/メーカー: パルコ
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: DVD-ROM
しゃべれども しゃべれども [落語]
カリブの海賊より一週間前、平塚のとある映画館で、国分太一主演「しゃべれどもしゃべれども」を観てまいりました。
以下、感想箇条書き。
1 原作の方が好きだけど、映像であるが故に「生の落語」を聴くことができ、満足しました
2 伊東四朗さんの落語はすばらしい、という発見をしました。あの方は「てんぷくトリオ」であって、
落語家ではないはずなのに・・・。
3 子役の子(当たり前)の落語「まんじゅう怖い」には笑いました。その「まんじゅう怖い」は、私がビデオ で持っている桂枝雀さんの上方版そのものでした。
4 それにしても、国分太一さんも香里奈さんも、よく落語を練習しています。それは感心しました。
5 久しぶりに、落語を聴きに行きたくなりました。
火焔太鼓という落語の噺は、最近では橘家円蔵師匠(むかしの円鏡さん)で聴いたことがありますが、太一くんや伊東四朗さんの噺の方が何だかいいなぁ、と思ってしまいました。
ちょっとでも落語が好きな方は、ぜひご覧ください。
それにしても、「しゃべれどもしゃべれども」というタイトルは、おしゃべりな私に向けて言っているようなものです。身に染みます。
九代目林家正蔵のアプローチ [落語]
「林家こぶ平 改め 九代目林家正蔵 襲名披露 特選落語名人会」(長いので一息・・・)を聴きに、神奈川県民ホールに行って来た。
扇家勝丸が太神楽曲芸をにぎやかに披露した後、いきなり春風亭小朝登場。演目は、「涙をこらえてカラオケを」という新作落語。関西落語みたいに、舞台に小さな机のようなものが置いてあるから何かと思っていたら、その影にカラオケマイクやハンドマイクをしこんであった。それにしても、小朝師匠の歌のうまいこと。宇宙戦艦ヤマトから犬のお巡りさん、アリスのチャンピオンまで多種多様な歌を見事に歌い上げた。本当は古典を聴きたかったんだけど、正蔵に気を遣ったか?それでも爆笑の高座はさすが。もしかしてこれって、古典をモデルにしたものか?気になる。
続いて、林家木久蔵登場。例によって古典でなく、笑点話や師匠の8代目正蔵の話などをとりませた「明るい選学」。考えてみれば、この日は正蔵の襲名披露なのだから、先代の話はふさわしいわけだ。「林家正蔵伝」なんていう演目があるぐらいだから、この人にとってはお手のもの。でも、前回より今回の方が笑えた。木久蔵自身が時折自分のギャグなどに声を出さずに大笑いする、あのいつもの芸に笑わされた。
中入り後、口上。上の2人に正蔵自身と花録が加わる。正蔵(こぶ平さん)は、頭を下げっぱなしで、三本締めまで顔が見えない。(ちなみに三本締めの「いよ~お」というかけ声は、「祝おう~」の江戸言葉なんだそうで、へーボタン百連発レベル。小朝さんは、これで自分が三平を継げる、とコメントしていた。ギャグか本気か?木久蔵さんは、とてもまともなご挨拶。さすが。本当は頭が良いところをしっかりと披露。
柳家花録登場。すっごく短い高座。「長短」。やはり、あとの主役に気を遣ったか?
トリに、正蔵師匠登場。「子別れ」のうち、いわゆる「子はかすがい」の場面。たっぷり聴かせた。
枕で、正蔵本人が、「父親とは違う道で頂上を目指す」と語っていた。そのアプローチが、この日の演目であり、前回聴いた「死神」「火焔太鼓」なのであろう。
前回の高座では、「なんだか華がない」「やたらきまじめな高座だな」と、どちらかといえば否定的な感想をもった。朝日新聞の芸能面で、「こぶ平、やればできるじゃないか」と書かれたように、多分、芸は格段にうまくなっている。でも、個人的には、おもしろくない、なんだか楽しくない、と思っていた。
ところが、この日の噺を聴いて、ちょっと考えを改めた。
奇しくも口上で小朝が語ったように
「9代目正蔵は、なんだかわからないけれど、聴いていて懐かしくなる噺をする」
というのが、なんだか味になっているような気がしてきた。少し迫力のようなものを感じた。
「それが天性。他の者には真似できない。関東の落語家にはいない。」
とまで小朝は言う。
(でも
「他の落語家が身に付けているものを身に付けていない。それが向こう十年の課題。」
と冗談めかして語ってもいたが。)
この日の演目は、寄席での襲名披露でもやったもの。テレビでも観た。
こてこての人情噺。これが、爆笑王と言われた父親を乗り越え、別のアプローチで頂上を目指す、今現在の9代目正蔵の答え(仮説?)なのだろうと思う。とことん、まっすぐな人なんだろうな。
なら、とことんやればいいと思う。10年後を楽しみにしたくなる、それまでちょっと応援したくなる、そんな高座だった。(ちなみに、ちょっとウルってきた。初めて聴いた噺ではないのに。)
最近では珍しく、まじめに熱く語ってしまって、目眩がしてきた・・・・。
ちなみに、入り口ロビーに「所ジョージさん」「高橋英樹さん」そして「二木ゴルフ(菓子)」からの、お祝いののぼりがあった。舞台の幕にも、中入りまで「所さん」中入り後は「高橋英樹さん」の名前が入っていた。
柳家花緑は上手い! [落語]
昨日、新春落語鑑賞会に行きました。藤沢市民会館での毎年恒例の落語会です。
この会は、基本的には重鎮である柳家小三治師匠の会です。小三治師匠がトリをとり、その他ゲストが登場します。といっても、もちろん一門の若手中心ですが。
まずは、柳家初花。華緑師匠のお弟子さんで「しょっぱな」さんと読むそうです。亡き大師匠「小さん」がつけた名だとか。演目は「牛ほめ」。有名な「与太郎話」です。でも、おもしろくないのです。なぜでしょう。いつも落語会に行くたびに思うのです。なぜ、前座さんの話はおもしろくないのでしょうか?華がない、とでもいうのでしょうか?途中で、「おじさん」と「おとっつぁん」を間違えたまま演じてました。現在二つ目昇進直後。しょうがないけれど。いつか、おもしろくなるのかな??
次は柳家禽太夫師匠。真打です。「くしゃみ講釈」。この方の噺は初めて聴きましたが、おもしろかったです。上手いと思いました。やはり真打ですね。歯切れがよいと思います。
と思ったら、次の花緑師匠。上手い。やはり血筋なのかな?人間国宝の孫だもの。どこか違うとしても文句はないです。「ちりとてちん」。枕もおもしろいし、歯切れも良い。何より、あの演技力。腐った豆腐のにおいが客席まで臭ってきそうな感じ。まだ三十そこそこなのにあの演技力はすごい。別の噺も聴きたい、そう思える高座でした。しかし、ここでまた考えます。この方や小朝さんたちと前座さんたちとの違いは結局は何なのでしょうね?謎は残ります。
中入り後は三遊亭小円歌さんの三味線漫談。さすが、年季の入った芸です。お正月らしく踊りも。
トリは、小三治師匠。「甲府ぃ」。例によって長い枕(世間話)のあとは、人情噺でした。たしか去年は「うどん屋」だったかな?あちらの方が笑えました。でも、正月そうそう「とても善い人間」の噺を聴くのはよいものです。帰り道に「こうふぃ、お参り、願ほどき・・・」というサゲが頭の中を何周もしていました。幸せな気分でした。